静寂の鼓動／Quiet Fire
S100-021-01
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抑え込んだ感情の余韻が、心の奥を走り抜けていく。その波をやさしく包み込むように呼吸する。そのふたつが対立せずに、互いを映し合いながら存在している様子を表現しました。
「静」と「動」、安らぎと衝動、受容と抵抗――矛盾を抱えながらも、生きることの中で共に息づく感情。生きている限り、誰の心にもたゆたう波があると思います。怒りも、悲しみも、喜びも、安堵も。そのすべてが「わたし」という色を織りなしています。
ただ在ることの尊さを感じ、自分を整えていく。
病気と向き合う日々には、穏やかでいられない瞬間がたくさんあります。どんな感情も否定せず、今を懸命に生きている自分を受け止めながら、少しずつ歩めますように。
作家プロフィール
jasmine
デザイン業を長年営むかたわら、京都芸術大学大学院へ進学。その後、社会の中における芸術の役割を学ぶために、東京藝術大学DOORへ。2021年5月に乳がんと診断され、2024年1月まで治療が続き、現在は数ヶ月に一度の再発検査を受けている。
この2年半にわたる闘病生活の中で、経済面の悩み、生死に関する不安、痛みや副作用のつらさを経験した。誰にも相談できず、言葉にはできない痛みや想いを抱え、またシングルマザーであったことから当時8歳だった娘の世話や精神面のサポートに苦労した。
闘病経験から人生には限りがあることを実感し、できる限り残りの人生を楽しもうと、遊びごころを持って、愛のある芸術活動と研究を実践中。
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